過敏性肺炎の全国疫学調査
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公示用ポスター
2021 年1 月1 日~2021 年12 月31 日に
過敏性肺炎疾患で受診した患者さんへ
~研究協力のお願い~
(1)研究の概要について
承認番号: 第 M2022-045 番
研究課題名:過敏性肺炎の全国疫学調査
研究期間: 医学部倫理審査委員会承認後から西暦2027 年3月31 日
研究責任者:東京医科歯科大学 統合呼吸器病学分野 教授 宮崎 泰成
本研究は東京医科歯科大学医学部倫理審査委員会の承認及び機関の長の許可を得て実施されて
います。
<研究の概略>
種々の抗原により発症するアレルギー性の間質性肺炎を過敏性肺炎と言います。線維性過敏性肺
炎は進行すると労作時息切れを自覚し長期の療養が必要となり、線維化の進んだ過敏性肺炎の平均
生存期間は3 年弱と予後不良です。また、本症は小児期にも発症し呼吸不全を来たし肺移植を受
けている患者さんもいることが知られており、小児から成人に至る詳細な臨床像は明らかにされて
いません。
この過敏性肺炎は現在まで十分な疫学調査が行われておりません。患者数は1~2万人いると考
えられていますが、これまで患者数を推定するための全国疫学調査は行われておりません。また、
今まで確立した診断法はありませんでしたが、日本呼吸器学会より「過敏性肺炎診療指針2022」
が2022 年4 月に発刊され、診断が標準化されました。本研究では、「過敏性肺炎診療指針2022」
に基づいて疫学調査を行うことで、過敏性肺炎の正確な有病率および罹患率、疾患特性を明らかに
したいと考えております。
(2)研究の意義・目的について
1991 年、1999 年、2013 年に厚生労働省政策班主導で疫学研究が行われております。しか
し、これらは主要な医療施設に限定された調査であったため正確な有病率や罹患率が出せませんで
した。そしてその後ほぼ10 年間疫学調査は行われておりません。本研究は、「過敏性肺炎診療指
針2022」に基づいて疫学調査を行うことで、①2022 年4 月に発刊された過敏性肺炎診療指針
の検証、改定に向けた調査、客観的な診断基準・重症度分類の策定、②有病率・罹患者数の推定、
③小児から成人への移行期医療体制の構築、を行うことを目的とします。
(3)研究の方法について
事前に一次調査の際に各ご施設より回答いただきましたが、二次調査へ協力する旨の返答があっ
た施設において、患者個人調査票への回答を依頼します。調査対象は、東京医科歯科大学および二
次調査への協力施設において、2021 年1 月1 日~2021 年12 月31 日に過敏性肺炎疾患で受
診した患者さんとします。性別、年齢に制限を設けません。予定症例数は1000 例としますが、
制限を設けるものではありません。
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本来であれば患者さん個別に御説明した上で御同意を頂くところですが、この掲示によって替え
させて頂きます。
患者さんの診療録から研究のために以下の情報を取得します。①生年月日、②性別、③年齢、④
人種・地域、⑤喫煙に関して、⑥曝露抗原情報(住居環境、周辺環境、職業歴、趣味など)、⑦家
族歴、⑧既往歴、⑨発症様式(線維性、非線維性、急性、亜急性、慢性、無症状)、⑩自覚症状(発
熱、咳、痰、労作時呼吸困難、mMRC スケール)、⑪身体所見(身長、体重、酸素飽和度、呼吸音、
ばち指、膠原病関連の身体所見)、⑫血液検査所見(白血球数、CRP、ALB、LDH、KL-6、SP-D、
膠原病関連自己抗体、鳥IgG、トリコスポロンアサヒ抗体など)、⑬動脈血液ガス分析、⑭呼吸機
能検査(VC, %VC, FVC, %FVC, DLCO, %DLCO, ΔVC, ΔFVC)⑮6分間歩行試験、⑯気管
支肺胞洗浄、⑰抗原回避試験、⑱抗原誘発試験、⑲画像所見:胸部CT 所見、⑳病理検査所見、㉑
治療経過、㉒急性増悪の有無、㉓病歴、㉔診断根拠。検査データにおいては診断時のものに加え
12 か月後、24 か月後、36 か月後、48 か月後、60 か月後のものも収集します。データは東京
医科歯科大学のeACReSS という情報データシステムを用いた患者調査票を使用します。これら
の情報は日常診療で行っている検査結果などから取得するため、本研究のために追加で検査してい
ただくことはありません。その他研究目的で採血以外に追加で行っていただく検査はなく、薬の投
与などもありません。胸部CT 画像および病理組織標本は東京医科歯科大学呼吸器内科に送付し集
約されます。
(4)試料・情報等の保管・廃棄と、他の研究への利用について
抽出した情報は、個人が特定できないよう、番号に置き換え匿名化したうえで研究者が責任をも
って10 年間、責任者の研究室に保管、管理します。既存試料・情報のみを提供する機関において
も同様に、研究対象者をカルテ上でピックアップした後、個人が特定できないよう番号に置き換え
匿名化したうえでeACReSS に情報を集約します。
保存期間を超えた情報は匿名化されたまま廃棄します。データは学会発表と論文作成のみに使用
し、前述以外の使用目的には一切使用しません。本研究で得られた情報を別の研究に二次利用する
際は、新たな研究計画を立案時点で医学部倫理審査委員会に諮り、承認を得られた後に、東京医科
歯科大学生命倫理研究センターのHP および二次調査へ協力いただいた施設でポスター掲示を行
います。
(5)予測される結果(利益・不利益)について
すでに診療録上に登録されている情報を使用するため健康を害する可能性はありません。御参加
頂いた個人の方に、診療の上で利益や不利益となることはありません。
なお、本研究への参加を断っても、病院での診療等に不利益はありません。
(6)研究協力の任意性と撤回の自由について
この研究に参加するかどうかは、あなたの自由意思によって決めていただくことになります。こ
のポスターをご覧になって自分のデータを研究に使用してほしくない場合には、下記連絡先に申し
出て下さい。たとえ同意いただけない場合であっても、不利益を受けることは決してありません。
また、本研究に診療情報を使用してほしくないというご連絡をいただいた場合には、それまでに
保存されたデータは廃棄されます。但し、保存されたデータを使用し、すでに研究結果が論文など
で公表されている場合には、その結果を廃棄できない場合がありますのでご了承下さい。
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(7)個人情報の保護・取り扱いについて
データは個人が特定できないよう、番号に置き換え匿名化した状態で解析します。各番号に対応
した個人名を記した対応表は研究責任者のパソコンのみでの閲覧に限定して厳重に管理します。各
研究協力機関との診療録上の情報の授受に際しても同様に、個人が特定できないよう、番号に置き
換え匿名化した状態で行います。各番号に対応した個人名を記した対応表は研究責任者のパソコン
のみでの閲覧に限定して厳重に管理します。
(8)研究に関する情報公開について
皆様の協力によって得られた貴重なデータは、個人情報を消去した形で国内外の医学系学会や学
術論文で公に発表させて頂きます。
(9)研究によって得られた結果のお知らせ
この研究で得られた結果を患者さんにお知らせする予定はありません。
(10)経済的な負担および謝礼について
この研究は診療録上にすでに登録されている情報のみを用いるため、研究に参加することによる
新たな費用負担はありません。また謝礼もありません。
(11)研究資金および利益相反について
利益相反とは、研究者が企業など、自分の所属する機関以外から研究資金等を提供してもらうこ
とによって、研究結果が特定の企業にとって都合のよいものになっているのではないか・研究結果
の公表が公正に行われないのではないかなどの疑問が第三者から見て生じかねない状態のことを
指します。研究の実施にあたっては、東京医科歯科大学利益相反マネジメント委員会に対して研究
者の利益相反状況に関する申告を行い、同委員会による確認を受けています。
本研究は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)からの資金および当研究室の運
営費で実施されます。
(12)研究に係るご相談・問い合わせ等の連絡先:
研究者連絡先:東京医科歯科大学病院 統合呼吸器病学分野 教授 宮崎 泰成
所在地:東京都文京区湯島1-5-45 MD タワー13 階
電話番号(直通):03-5803-5954 (対応可能時間帯:平日9:00~17:00)
苦情窓口:東京医科歯科大学医学部総務係
03-5803-5096(対応可能時間帯:平日9:00~17:00)
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※他の研究参加者の個人情報や研究の独創性の確保に支障が生じない範囲内で、研究計画書や研究
の方法に関する資料を閲覧することができます。ご希望の際は、上記の研究者連絡先までお問い合
わせください。
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