肺癌の免疫チェックポイント阻害剤治療に伴う免疫関連有害事象に関する後方視的研究

研究演題名

研究期間

承認日から2020年3月31日まで
人を対象とする医学系研究疫学・一般部門倫理委員会承認日　2018年3月28日

試料・情報の利用目的及び利用方法

がん免疫療法はがん細胞を直接標的とする今までの治療法と異なり、患者自身の免疫システムに作用することで患者自らがもつ抗腫瘍免疫を促進する新しい治療法です。今までにない作用機序を持つ免疫チェックポイント阻害薬は、根治切除不能な多くのがん腫や血液腫瘍において、根治が得られる可能性がある薬物療法として期待されています。
　このように、大きな恩恵を人類にもたらしたがん免疫療法ですが、新たな問題も出てきています。免疫チェックポイント阻害薬は高額な薬剤費にもかかわらず、奏効率がメラノーマや肺癌においても30−40％程度にとどまり、依然として多数の患者が恩恵を得ることができていません。さらに免疫療法の登場により、免疫関連有害事象という新たな副作用に関する問題も出てきています。過去の臨床試験では報告されていない、発症機序が不明な重篤な有害事象も多数報告されつつあります。
このような理由から、肺癌に対する免疫チェックポイント阻害薬投与に伴う重篤な免疫関連有害事象を発症せず、治療の恩恵が得られる患者を同定するバイオマーカーの開発が求められています。免疫関連有害事象の発症機序については不明な点が未だ多く、免疫関連有害事象の早期発見、早期診断を行い適切な治療を選択することの障害となっています。
　本研究では、過去に免疫チェックポイント阻害薬の投与を受けた肺癌患者様の情報を解析し、免疫関連有害事象の発症と臨床効果、臨床情報との関連性を解析することを目的とします。さらに、本研究では免疫関連有害事象の発症機序解明のため、健常人ボランティアの末梢血中の細胞を用いた解析を行い、免疫チェックポイント阻害剤の投与を受けた患者体内で生じた現象の再現性を試験管内で確認し、免疫関連有害事象の発症機序解明に貢献することを目的としています。

研究に利用する試料・情報を利用する者の範囲

研究を実施する機関名称：熊本大学大学院生命科学研究部呼吸器内科
研究責任者：坂上拓郎呼吸器内科　教授

研究の対象となる方

2016年4月～2019年1月までに熊本大学医学部附属病院呼吸器内科で進行・再発肺癌と診断され、免疫チェックポイント阻害剤による治療を受けた患者様

研究に利用する試料・情報の項目

電子カルテ内の以下の患者関連情報：　2019年１月までの時点での年齢、性別、喫煙歴、身体所見、検査所見（血液検査、呼吸機能検査、組織のPD—L１発現の有無、臨床診断で使用した遺伝子変異の有無等）、画像所見、病理所見、使用薬剤、治療経過（治療効果、治療レジメン、放射線治療など）、副作用歴等の情報

研究機関の名称並びに研究責任者の氏名

研究機関名称：熊本大学大学院生命科学研究部
研究責任者：坂上拓郎　呼吸器内科　教授

研究に関する資料の入手・閲覧について

ご要望があれば、患者様とそのご家族が読まれる場合に限り、他の患者様の個人情報および知的財産の保護等に支障がない範囲内において、この研究の計画書をご覧いただけます。下記担当者までご連絡ください。

個人情報の取り扱いについて

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2. 取得した情報を用いて解析した研究の結果は、論文や学会発表として公表されますが、公表される情報には個人を特定し得る情報は含まれませんのでご安心ください。
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7. 一般的な質問や苦情がある方は、下記の対応窓口までご連絡ください。

利益相反について

本研究に携わる全研究者におきまして、本研究の公正さに影響を及ぼすような利害関係はありません。本研究における利益相反に関する状況は、熊本大学生命科学研究部等臨床研究利益相反審査委員会の審査を得ております。

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この研究に、ご自分のデータ (情報)を使用してほしくないと思われる場合は、その旨下記の対応窓口までお申し出ください。それまでに収取されたデータを一切使わないようにすることができます。その場合でも、通常の診療などで不利益を受けることは全くありません。上記の調査期間中であれば、いつでもお断りいただけます。