臨床研究についてのお知らせ(オプトアウト)

OPT OUT

日本人EGFR遺伝子変異陽性の進行肺腺癌患者を対象とした一次治療としてのアファチニブ(ジオトリフ®)投与及び後続治療に関するリアルワールド研究(J-REGISTER)

既存試料・情報を用いる研究についての情報公開

本学では、医学系研究に協力して下さる方々(以下研究対象者)の利益と安全を守り、安心して研究に参加していただくように心がけております。こちらに記載されている研究については、研究・診療等により収集・保存された既存試料・情報を用いる研究で、直接研究対象者からインフォームド・コンセントを取得することが困難であるため、情報公開をさせていただいております。

こちらの文書は研究対象者の皆様に、情報公開をするとともに、可能な限り研究参加を拒否または同意撤回の機会を保障する為のものになります。

なお、研究参加を拒否または同意撤回されても一切の不利益はないことを明記させていただきます。

受付番号 (倫理・先進・ゲノム)第 2280 号

研究課題

日本人EGFR遺伝子変異陽性の進行肺腺癌患者を対象とした一次治療としてのアファチニブ(ジオトリフ®)投与及び後続治療に関するリアルワールド研究(J-REGISTER)

本研究の実施体制

研究責任者:教授・坂上 拓郎・この研究の統括

研究担当者:助教・猿渡 功一・この研究についての窓口、患者様への説明やデータ説明

主たる研究機関:日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社

主たる研究機関 責任者・担当者:医薬開発本部 スペシャルティケアメディシン オンコロジー領域・水島 昌哉

情報の提供先機関:日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社

情報の提供先機関 研究責任者;医薬開発本部 スペシャルティケアメディシン オンコロジー領域・水島 昌哉

本研究の目的及び意義

この研究の目的は、初回のアファチニブ(ジオトリフ®)の治療と、その後の治療を受けた非小細胞肺癌(NSCLC)の患者さんが、その治療効果がどのくらい持続しているかを調べることです。

肺癌は、最も一般的ながんの一種です。肺癌には、大きく分けて小細胞肺癌(SCLC)とNSCLCの2種類があります。NSCLCには、SCLCを除くすべての種類の上皮肺癌が含まれます。従来、NSCLCの治療には、主に手術、化学療法、放射線療法の3種類が用いられてきました。これらの治療に加え、特定の細胞を標的とした治療があります。

上皮成長因子受容体(EGFR)は、がん細胞の増殖と転移に関与することが知られているタンパク質です(NSCLCに関与するがん細胞も含まれます)。このタンパク質(すなわち、EGFR)の活性化を阻害する一部のお薬はEGFR-チロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)と呼ばれ、この種類のがん患者さんの治療に使用されています。アファチニブは、このEGFR-TKIの一種です。

アファチニブは、標的治療薬であり、NSCLCに関与するがん細胞を含むがん細胞の異常を治療するためのお薬です。EGFRを構成する遺伝子の変異は、肺癌の患者さんにおいて一般的な「治療の対象となる」遺伝子変異です。すなわち、これはよく認められる遺伝子の異常であり、肺癌細胞を直接標的とする治療が用いられます。

アファチニブは、EGFR遺伝子変異がある進行したNSCLCの患者さんに対する初回治療の選択肢の一つです。アファチニブは、日本を含む世界の40か国以上で承認されています。アファチニブは、すでに多くの患者さんに投与されており、研究依頼者は、初回治療としてアファチニブを現在投与されているか、過去に投与されていた患者さんからさらに情報を収集したいと考えています。この研究で収集された情報によってこの疾患に対する理解が深まる可能性があるためです。

この研究の依頼者は、日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社です。この文書中では同社を「研究依頼者」と呼びます。

この研究は、カルテを再調査する研究です。すなわち、担当医師または研究チームのスタッフがあなたの診療録を確認し、あなた自身とあなたの病気について、研究に関連する一部の情報を報告書に収集します。担当医師または研究チームのスタッフは、あなたの診療録にすでに記載されている情報を収集するだけです。この研究の目的のために、あなたに関する新しい情報を収集することはありません。

研究の方法

研究対象者;NSCLCと診断され、初回治療としてアファチニブを、現在投与されているかまたは過去に投与されていた方

試料・情報の収集方法:現在の診療録から特定の情報を収集する

解析方法:収集したデータを用い、データ解析手法に基づき解析を行う

成果報告の方法:学会や論文にて発表する

研究期間

契約締結~2022年12月31日

試料・情報の取得期間

2014年5月7日~2022年7月31日

研究に利用する試料・情報

人口統計学的データ 生年月日、性別、身長、体重、喫煙歴

背景情報と病歴 病期、初回診断時と二次治療における遺伝子変異のタイプ、治療に関するデータ(開始日、用量調節、終了日など)

追跡データ 上記のデータ収集から1年後の情報(後続治療、病状など)

保管担当者;猿渡 功一

保管場所:呼吸器内科

保管期間:論文等の発表後10年間

破棄方法:書類は裁断した上で破棄し、データは完全に削除する

個人情報の取扱い

担当医師と研究チームは、この研究の目的のためにあなたに関する個人情報を収集、記録、使用します。この研究の期間中に収集・使用されるあなたの個人情報には、あなたの心身面の健康や状態に関する秘密情報とあなたの健康に関する情報が含まれます。

あなたのプライバシーと個人情報は、日本で適用される個人情報保護の要件に従い保護されます。この研究の期間中に収集・使用されるあなたに関する情報は、その後もすべて秘密情報として守られます。

この研究の期間中、あなたについて収集した個人情報(診療録など)は、研究依頼者、この研究を補助する研究依頼者の代理者、研究モニター、監査担当者、政府または保健規制当局、倫理審査委員会または臨床研究審査委員会に開示される場合があります。あなたの診療録は、情報を確認してこの研究の手順を確認するために当施設(または担当医師の医局)でのみ閲覧されますが、あなたの秘密情報が開示されることはありません。

この研究に関連した医学的、統計的、規制上の業務のため、当施設に保管されている記録に収集されたあなたの情報はすべて、この研究の患者番号によって識別されます。あなたと匿名化された患者番号とを関連付ける対応表は、当施設で個人情報保護管理者による厳重な管理の下で保管します。あなたの氏名や住所の詳細、電話番号は、これらの記録には含まれません。この研究で得られた個人情報は、研究総括報告書の提出後10年間保管します。保管期間が終了した資料と情報は適切に廃棄されます。

担当医師は、あなたのかかりつけの医師に対し、あなたがこの研究に参加していることを伝えた上で、あなたに関する診療情報の提供を依頼することがあります。

あなたがこの同意文書に署名することで、この研究のためにあなたの個人情報を処理して使用することを許可することになります。

あなたには、個人情報を閲覧して修正する権利があります。また、日本の個人情報保護法に従い、個人情報の削除を要請する権利があります。この研究への参加を取りやめた場合、その後は情報が収集されませんが、すでに収集された情報はその後もこの研究のために使用されます。あなたは担当医師に連絡して、個人情報の処理を中止するよう要請することができます。上記の法律は、この研究のために収集・使用された情報には適用されませんが、この情報であなたが特定されることはありません。

この研究に関する情報は、大学病院医療情報ネットワーク(UMIN)のウェブサイト(https://www.umin.ac.jp/)から閲覧することができます。このウェブサイトには、あなたを特定できる情報は含まれておらず、研究結果の概要が掲載されているだけです。あなたはいつでもこのウェブサイトを検索することができます。研究依頼者は、透明性が極めて重要であると考えています。この研究の結果は公表を予定しており、誰でもこの結果を閲覧することができます。

研究依頼者は、暗号化(匿名化)された研究データを海外の受信者に送信する場合があります。この送信先には、日本と同様の個人情報保護法がない可能性がありますが、研究依頼者はデータを保護して匿名化するための適切な制限を設けます。

この研究全体の結果は公表される予定ですが、あなたを特定できる個人情報は使用されず、提供されることはありません。

あなたの個人情報に関して、機密性が損なわれるリスクがわずかながら存在しますが、この危険性が絶対に生じないようにするための措置を講じています。

なお、この研究の目的に関する情報だけではなく、医薬品の安全に関する情報や、患者様の健康に関する情報などが研究依頼者にて収集される可能性があります。

研究成果に関する情報の開示・報告・閲覧の方法

研究対象者に対し研究成果の開示やフィードバックは行いません。

この研究の詳しい計画や方法についてお知りになりたい場合には担当医師にご連絡ください。担当医師は、この研究に参加している他の患者さんのプライバシー保護に関する要件と、この研究に関する知的所有権に支障がない範囲で、この研究の計画についてご説明します。

偶発的所見(研究の過程で見つかった対象者の健康に重要な情報)や研究対象者の血縁者・子孫にとって重要な情報(遺伝情報など)が得られ可能性は低いと考えられます。

利益相反について

本研究に使用する医薬品【薬品名:ジオトリフ】は、日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社のものを使用し、同社から交付された研究費(受託研究費)によって行われる予定ですが、本研究に携わる全研究者によって公正に費用を使って研究が行われます。

本研究の利害関係の公正性については、熊本大学大学院生命科学研究部等医学系研究利益相反委員会の承認を得ており、当該研究経過を熊本大学大学院生命科学研究部長へ報告すること等により、利害関係の公正性を保ちます。

本研究参加へのお断りの申し出について

あなたは担当医師に理由を説明せずにいつでもこの研究への参加を取りやめることができます。あなたが参加を取りやめても、今後のあなたの治療や担当医師との関係に影響することはありません。

すでに解析されたこの研究の結果と、すでに公表されたこの研究の結果については、その過程の途中であなたの情報のみを削除することは難しいと予想されます。そのため、あなたが同意を撤回する前に解析・公表されたこの研究の結果は引き続き使用されることをご了承ください。解析・公表されたこの研究の結果からあなたが特定されることはありません。

本研究に関する問い合わせ

分野・診療科名:呼吸器内科

担当者:猿渡 功一

電話番号:096-344-2111


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