臨床研究についてのお知らせ(オプトアウト)

OPT OUT

整腸剤が肺癌免疫療法の臨床効果に及ぼす影響に関する後方視的研究

既存情報を用いる研究についての情報公開

 

本学では、医学系研究に協力して下さる方々(以下研究対象者)の利益と安全を守り、安心して研究に参加していただくように心がけております。こちらに記載されている研究については、研究・診療等により収集・保存された既存試料・情報を用いる研究で、直接研究対象者からインフォームド・コンセントを取得することが困難であるため、情報公開をさせていただいております。

こちらの文書は研究対象者の皆様に、情報公開をするとともに、可能な限り研究参加を拒否または同意撤回の機会を保障する為のものになります。

なお、研究参加を拒否または同意撤回されても一切の不利益はないことを明記させていただきます。

 

 

受付番号 (倫理)第 1825 号
研究課題

整腸剤が肺癌免疫療法の臨床効果に及ぼす影響に関する後方視的研究

本研究の実施体制

    所属、職位、氏名、研究における役割
研究責任者 熊本大学大学院生命科学研究部 呼吸器内科学 教授 坂上拓郎、研究全体の統括
  研究分担者 熊本大学大学院生命科学研究部 呼吸器内科学 助教 冨田雄介

研究計画の立案、データの取得、研究の実施、データ解析

  研究分担者 熊本大学医学部附属病院 呼吸器内科学 助教 佐伯祥、研究に対する助言
  研究分担者 熊本大学医学部附属病院 呼吸器内科学 助教 猿渡功一、データの取得、

研究に対する助言

  研究分担者 熊本大学医学部附属病院 呼吸器内科学 特任助教 坂田晋也、データの取得、

研究に対する助言

  共同研究機関 崇城大学薬学部薬学科・准教授 池田 徳典、統計解析、研究に対する専門的助言
     
本研究の目的及び意義

がん免疫療法はがん細胞を直接標的とする今までの治療法と異なり、患者自身の免疫システムに作用することで患者自らがもつ抗腫瘍免疫を促進する新しい治療法です。今までにない作用機序を持つ免疫チェックポイント阻害薬は、根治切除不能な多くのがん腫や血液腫瘍において、根治が得られる可能性がある薬物療法として期待されています。

このように、大きな恩恵を人類にもたらしたがん免疫療法ですが、新たな問題も出てきています。免疫チェックポイント阻害薬は高額な薬剤費にもかかわらず、奏効率(腫瘍の大きさが30%以上小さくなる割合)が肺癌においては20−40%の患者にとどまり、依然として多数の患者が恩恵を得ることができていません。

近年、腸内細菌叢が免疫チェックポイント阻害剤の治療効果に大きな影響を与えることが報告されています。また、抗菌薬による腸内細菌叢の乱れが免疫療法への効果を減弱する可能性が懸念されています。今回、熊本大学呼吸器内科では腸内細菌叢に影響を与える整腸剤が免疫療法への効果とも関連している可能性があるのではないか、との仮説を立て研究を行うことを開始しました。本研究では、熊本大学呼吸器内科で免疫チェックポイント阻害剤の投与を受けた肺癌患者情報を後方視的に解析し、肺癌患者に投与されていた整腸剤と免疫療法の効果との関連性を解析することを目的としています。

本研究の成果により、一般的に用いられている整腸剤を投与することで免疫療法の効果を増強することができる可能性が示されれば、一般的に用いられている整腸剤により腸内環境を改善することで、免疫療法の効果が得られていない患者にも治療の恩恵が得られるようになる可能性や、本邦発の腸内細菌叢を標的とした薬剤と免疫療法との新規併用療法の開発へもつながり、医療の発展に貢献できる可能性があります。

研究の方法

本研究では、肺癌患者における免疫チェックポイント阻害剤投与が始まった2013年12月~2019年10月までに熊本大学病院 呼吸器内科で肺癌に対する免疫チェックポイント阻害剤投与を受けた全ての患者様を対象とします。対象となる患者様に関係する電子カルテに保存された熊本大学病院が有する全ての情報を使用します。本研究では免疫療法を受けた患者において、整腸剤もしくは、腸内細菌叢を乱す抗生剤や制酸剤などの使用患者群と、整腸剤もしくは抗生剤や制酸剤などを使用しなかった患者群に分けて解析を行います。この研究の成果は、学会や論文発表にて公開されますが、個々の患者様の情報が公開されることはありません。

研究期間

大学院生命科学研究部長(病院長)承認の日から 西暦 2023年3月31日まで

試料・情報の取得期間

2013年12月~2021年3月までに、熊本大学医学部附属病院呼吸器内科で免疫チェックポイント阻害剤による治療を受けた肺癌患者様に関係する電子カルテに保存された情報を取得します。また、同期間に通常診療で取得される臨床検体を保存するための包括同意書(先進第2287号)による同意が得られ、熊本大学呼吸器内科に保存された便検体を用いて腸内細菌叢の解析を行います。

研究に利用する試料・情報

本研究では、肺癌患者における免疫チェックポイント阻害剤投与が始まった2013年12月~2021年3月までに熊本大学病院 呼吸器内科で肺癌に対する免疫チェックポイント阻害剤などの抗がん剤の投与を受けた全ての患者様を対象として、患者様に関係する電子カルテに保存された熊本大学病院が有する全ての情報を使用します。

これらの個人情報法の保管については研究分担者の呼吸器内科の冨田雄介が責任を負い、患者様の情報は入室が管理されており、第三者が立ち入ることができない熊本大学病院呼吸器内科の鍵のかかった部屋において厳重に保管します。情報についてパスワードを設定することで、漏えい、盗難、本研究とは関係のない者のアクセスを防ぎます。保管期間のついては、研究データの保存等に関するガイドラインに照らし合わせ、研究終了後10年間の保存を行います。研究終了10年経過した時点で、研究対象者 (被験者)の資料、情報データを削除します。現段階では紙媒体の資料は想定していませんが、万一紙媒体の資料が存在した場合にはシュレッダーにて裁断の上、破棄します。

 

個人情報の取扱い

1.    個人情報は研究のために特定した目的、項目に限り適正に取得、利用します。

2.    取得した情報を用いて解析した研究の結果は、論文や学会発表として公表されますが、公表される 情報には個人を特定し得る情報は含まれませんのでご安心ください。

3.    本研究では研究対象者の個人情報のうち、住所は取得されません。本研究では使用する情報は匿名化されます。匿名化の措置は、研究実施者である冨田雄介が担当し、研究開始時に行われます。本研究では、研究対象者個人を識別するための対応表が作成され、熊本大学大学院生命科学研究部 呼吸器内科分野にて厳重に保管されます。

4.    取得した情報は万全な安全管理対策を講じ、適切に保護し慎重に取り扱います。

5.    個人が特定できる情報が熊本大学から外部に出ることはありません。

6.    本研究で取得し管理している情報に関して、開示、訂正、削除を希望される患者様は、下記担当者までご相談ください。

7.    一般的な質問や苦情がある患者様は、下記の問い合わせ窓口までご連絡ください。

研究成果に関する情報の開示・報告・閲覧の方法

この研究の成果は、学会や論文発表を通して社会に公表されます。この研究は電子カルテ内に保存された過去の情報を取得する研究になりますので、患者様やその御家族に重大な影響を与えるような、想定していない事象 (偶発的所見)が得られる可能性はないと考えています。しかしながら、万一想定していない結果が得られた場合には、患者様から希望があれば、倫理委員会に相談し判断を仰ぐことに致します。また患者様から希望がない場合でも、生命の危機に関するような偶発的所見が得られた場合には、同様に倫理委員会に相談し判断を仰ぐこととします。

利益相反について

本研究の資金源は科学研究費(18K15928)です。

本研究に携わる全研究者におきまして、本研究の公正さに影響を及ぼすような利害関係はありません。本研究における利益相反に関する状況は、熊本大学生命科学研究部等臨床研究利益相反審査委員会の審査を得ています。

本研究参加へのお断りの申し出について

この研究への参加は患者様の自由意志に基づくものであり、いつでも参加を辞退することができます。

また参加を辞退された場合でも患者様に不利益が生じることはありません。

参加を辞退したい場合には恐れ入りますが、下記の問い合わせ先まで御連絡下さい。

本研究に関する問い合わせ

担当者:冨田 雄介

連絡先:熊本大学病院 呼吸器内科

〒860-8556 熊本県熊本市中央区本荘 1-1-1

電話 096-373-5012

 

責任者: 坂上 拓郎

連絡先:熊本大学病院 呼吸器内科

〒860-8556 熊本県熊本市中央区本荘 1-1-1

電話 096-373-5012


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