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喫煙関連肺疾患における炎症細胞およびランゲルハンス細胞の分布とその意義

【はじめに】

今回、当科では「喫煙関連肺疾患における炎症細胞およびランゲルハンス細胞の分布とその意義」の研究を行うことになりました。本研究は、喫煙に関連する肺の病態にランゲルハンス細胞を始めとする炎症細胞が関与しているかどうかを検討するものです。

下記【対象】に該当する方で、本研究に参加されることを希望されない方や質問等がある方は、お手数ですが下記までご連絡をお願い致します。

 

【本研究の意義・目的】

喫煙は肺に様々な障害を及ぼし、肺癌や慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease:COPD)、間質性肺疾患等の病気を引き起こします。喫煙が肺に及ぼす障害の機序を解明することは、喫煙に関連した肺疾患の診断や治療の発展ならびに禁煙を推奨する根拠を示すことにつながると考えられます。今回、手術で摘出された患者様の肺組織を用いて、喫煙と関連した肺障害にどのような細胞が関与しているかを研究し、肺障害の機序を解明したいと考えています。

ランゲルハンス細胞とは気道に存在する細胞の一つで、喫煙により増加すると言われています。喫煙者に発症する肺の病気でランゲルハンス細胞組織球症という稀な病気があり、この病気の発症や進行にはランゲルハンス細胞が関与します。そこで、喫煙者の肺組織を非喫煙者の肺組織と比較して、ランゲルハンス細胞がどの辺りにどの程度増えているか等を研究したいと考えています。

 

【対象】

2014年4月から2014年12月までに当院で肺の病気に対して外科的治療を受けられた患者様が対象(研究対象者)となっている可能性があります。手術により摘出された肺組織のうち、診療に必要な検査が終了した後に、残存し保存してある肺組織の一部を使用させて頂きます。

 

【方法】

手術で得られた肺組織において、喫煙と関連した肺の障害の有無を確認し、その障害部位における炎症細胞やランゲルハンス細胞の分布等の評価を行います。また、これらの組織像と喫煙歴、肺機能検査、画像所見等の臨床所見との関連を検討し、喫煙による肺障害の機序を検討します。

 

【研究期間】

2014年7月7日〜2020年3月31日

 

【対象となる患者様の利益・不利益について】

本研究は非介入の後方視的な研究のため、披験者となった患者様の診療に直接影響が生じることはありません。患者様に利益的または不利益な情報が得られた場合には、速やかに公表致します。また、研究の結果が公表される場合も、患者様の個人情報は保全され公表されることはありません。

 

【個人情報等の取り扱いについて】

診療記録から収集した情報のうち、氏名、患者番号、年齢、性別、疾患名、検査結果、治療内容や臨床経過が個人情報に該当します。今回の研究で取り扱う患者様の診療情報は、“匿名化されたのも”として第3者にはどなたのものか分からないデータ(匿名化データ)として取り扱いますので、個人を特定できるような情報が外に漏れることはありません。患者様の個人情報と匿名化データを結びつける対応表は、本研究の個人情報管理者(研究責任者)が研究終了まで厳重に管理し、研究の実施に必要な場合のみに参照します。また、研究結果は学会や医学雑誌等で発表される予定ですが、発表内容に個人を特定できる情報は一切含まれません。また、研究対象者(あるいは代諾者)からの同意撤回があれば、得られた臨床情報やその解析結果は直ちに廃棄いたします。また本研究の一部は日本赤十字社医療センターと共同して行います(担当者:病理部 武村民子)。その際、対象患者様のデータは熊本大学で一元管理し、日本赤十字社医療センターへ対象患者様個人を識別できる情報を周知することはありません。標本についても個人情報は記載せず識別番号を記載した標本のやり取りを行います。患者様のプライバシーの保護には細心の注意を払います。

この研究は今後の喫煙に関連した肺疾患に対する医療の発展につながる可能性があります。

 

【本研究に対する同意について】

本研究に参加されることを希望されない方はお手数ですが下記までご連絡下さい。また一度同意された後もいつでも同意を撤回できます。

参加を希望されない場合でも、患者様の診療に不利益が生じることはありません。

 

【利益相反について】

本研究は、熊本大学において定められた「熊本大学大学院生命科学研究部等における臨床研究に係る利益相反ポリシー」に基づいて実施します。本研究の研究責任者、担当者は、本研究に関する利益相反は有していません。また本研究は熊本大学大学院生命科学研究部の倫理委員会の承認を得て実施するものであります。

 

上記期間中に呼吸器外科にて外科的治療を受けられた患者様で、ご自身の臨床情報や肺病理検体などの研究への使用をご同意いただけない場合には、下記の問い合わせ先までご連絡下さい。

 

【お問い合わせ先】

研究責任者:       熊本大学病院 呼吸器内科 助教  佐伯 祥

研究担当者:       熊本大学病院 呼吸器内科 医員  増永愛子

連絡先:860−8556 熊本市中央区本荘1−1−1

熊本大学大学院生命科学研究部 呼吸器内科学

TEL 096−373−5012、FAX 096−373−5328

 

【備考】

  1. Ryu JH, Colby TV, et al. Smoking related interstitial lung disease: a concise review. Eur Respir J. 17:122-32,2001.
  2. Katzenstein LA, Mukhopandhyay S, et al. Clinically occult interstitial fibrosis in smokers: classification and significance of a surprisingly common finding in lobectomy specimens. Hum Pathol. 41:316-25, 2010.
  3. Sakai F, Tominaga J, et al. Imaging diagnosis of interstitial pneumonia with emphysema. Pulm Med. 2012:816541,2012.

 


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