臨床研究についてのお知らせ(オプトアウト)

OPT OUT

 腫瘍浸潤ドレブリン陽性リンパ球と肺癌の予後に関する後方視的研究

既存試料・情報を用いる研究についての情報公開

 

本学では、医学系研究に協力して下さる方々(以下研究対象者)の利益と安全を守り、安心して研究に参加していただくように心がけております。こちらに記載されている研究については、研究・診療等により収集・保存された既存試料・情報を用いる研究で、直接研究対象者からインフォームド・コンセントを取得することが困難であるため、情報公開をさせていただいております。

こちらの文書は研究対象者の皆様に、情報公開をするとともに、可能な限り研究参加を拒否または同意撤回の機会を保障する為のものになります。

なお、研究参加を拒否または同意撤回されても一切の不利益はないことを明記させていただきます。

 

受付番号 (倫理・先進・ゲノム)第 2349     号
研究課題

腫瘍浸潤ドレブリン陽性リンパ球と肺癌の予後に関する後方視的研究

本研究の実施体制

研究責任者 熊本大学大学院生命科学研究部 呼吸器内科学 教授 坂上拓郎

研究全体の統括

研究分担者 熊本大学病院 呼吸器外科学 教授 鈴木実

研究に対する助言

研究分担者 熊本大学病院 呼吸器外科学 准教授 池田公英

データの取得、研究に対する助言

研究分担者 熊本大学大学院生命科学研究部 呼吸器内科学 講師 冨田雄介

研究計画の立案、データの取得、研究の実施、データ解析

研究分担者 熊本大学病院 呼吸器内科学 特任助教 猪山慎治

データの取得、研究の実施、データ解析

研究分担者 熊本大学病院 呼吸器内科学 助教 猿渡功一

研究に対する助言

研究分担者 熊本大学病院 呼吸器内科学 特任助教 坂田晋也

研究に対する助言

共同研究機関 崇城大学 薬学部薬物治療学研究室 准教授

熊本大学病院 医療情報経営企画部 客員准教授

池田徳典

統計解析、研究に対する専門的助言

本研究の目的及び意義

肺癌に対する手術治療は根治を目指した治療に位置付けられ、新規肺癌のうち30-40%が手術可能とされています。しかし、術後5年以内に約50%で再発をきたすとされ、術後5年での生存率では約75%と報告されます。一般的に術後病理診断により予後予測は行われていますが、術後の病理診断で同じ進行度であっても再発する方、根治を達成する方と別れます。そのためより的確に術後の予後を予測するバイオマーカーの開発が必要です。

がん細胞を直接標的とする従来の治療法と異なり、患者自身の免疫システムに作用することで患者自らがもつ抗腫瘍免疫を促進するがん免疫療法(免疫チェックポイント阻害剤)は今ではがん治療における新たな柱とされています。それに伴い癌と宿主の免疫細胞との関係性はより注目され研究が盛んに行われています。対象としたがんや解析方法の違いから確立されたものはありませんが、がん細胞に浸潤している免疫細胞の一つであるリンパ球が重要な因子であることは広く受け入れられています。

今回、熊本大学呼吸器内科ではドレブリン陽性のリンパ球ががんの予後と関わっているのではないか、との仮説をたて研究を行うこととしました。ドレブリンはリンパ球を活性化させる抗原提示細胞とリンパ球が相互作用する過程に関与すると報告されています。がんとリンパ球における相互作用においてもドレブリンの関与があるのではないかと考えています。

本研究の成果により、ドレブリン陽性リンパ球が肺癌術後の予後との関連が示されれば、肺癌術後の予後予測になるより有用なバイオマーカーの開発につながる可能性や術後再発時の治療方針決定のための参考になる可能性があり、医療の発展に貢献できる可能性があります。

研究の方法

本研究では2013年1月~2022年12月までに熊本大学病院呼吸器外科で肺切除が行われた患者様のうち、肺扁平上皮癌と診断された患者様を対象とします。呼吸器外科で保管されている組織検体を用いて、病理学的検査で腫瘍と免疫細胞であるリンパ球の解析を行います。本研究ではドレブリン陽性リンパ球に注目して解析し臨床情報との関連性を検証します。対象となる患者様に関係する電子カルテに保存された熊本大学病院が有する全ての情報を使用します。得られた結果をもとに健常者ボランティアの血液を用いて試験管内での解析を行い、ドレブリン陽性リンパ球の機能解析を行うことも目的としています。本研究の成果は、学会や論文発表により公開されますが、個々の患者様の情報が公開されることはありません。

研究期間

大学院生命科学研究部長(病院長)承認の日から西暦2026年3月31日まで

試料・情報の取得期間

2013年1月~2022年12月までに熊本大学病院呼吸器外科で肺切除を受けた患者様のうち、肺扁平上皮癌と診断された患者様の切除後検体の病理学的解析を行い、電子カルテに保存された情報を取得します。研究目的での手術検体の利用については、熊本大学倫理委員会にて承認を得た検体(熊本大学呼吸器外科バイオバンク:ゲノム第402号)を使用しております。

研究に利用する試料・情報

2013年1月~2022年12月までに熊本大学病院呼吸器外科で肺切除を受けた患者様のうち、肺扁平上皮癌と診断された患者様の切除後検体を用いて病理学的解析を行います。また、対象となった患者様の電子カルテに保存されている熊本大学病院が有する全ての情報を使用します。

解析を行う切除後検体は匿名化を行い、入室の制限されている熊本大学医学部臨床医学研究棟の実験室に施錠して保管します。また、取得した患者様の情報は入室が管理されており、第三者が立ち入ることのできない熊本大学病院呼吸器内科の施錠された部屋に保管します。情報についてはパスワードを設定することで漏洩、盗難、本研究と関係のない者のアクセスを防ぎます。保管期間については、研究データの保存等に関するガイドラインに照らし合わせ、研究終了後10年間の保存を行います。研究終了10年経過した時点で対象者の切除後検体、情報データを削除します。紙媒体での資料は想定していませんが、万一紙媒体の試料が存在した場合には裁断の上で破棄します。研究に利用する試料・情報については研究実施者である冨田雄介が責任を負い厳重な管理を行います。

個人情報の取扱い

1.     個人情報は研究のために特定した目的、項目に限り適正に取得、利用します。

2.     取得した情報を用いて解析した研究の結果は、論文や学会発表として公表されますが、公表される情報には個人を特定しうる情報は含まれませんのでご安心ください。

3.     本研究では研究対象者の個人情報のうち、住所は取得されません。本研究では使用する情報は匿名化されます。匿名化の措置は、研究実施者である冨田雄介が担当し、研究開始時に行われます。本研究では、研究対象者個人を識別するための対応表が作成され、熊本大学大学院生命科学研究部 呼吸器内科学講座にて厳重に保管されます。

4.     取得した情報は万全な安全管理対策を講じ、適切に保護し慎重に取り扱います。

5.     個人が特定できる情報が熊本大学から外部に出ることはありません。

6.     本研究で取得し管理している情報に関して、開示、訂正、削除を希望される患者様は、下記担当者までご相談ください。

7.     一般的な質問や苦情がある患者様は、下記の問い合わせ窓口までご連絡ください。

研究成果に関する情報の開示・報告・閲覧の方法

本研究の成果は、学会や論文発表を通して社会に公表されます。すでに手術が行われ、術後病理診断が完了した余剰検体を対象としており、また電子カルテ内に保存された過去の情報を取得する研究になりますので患者様はそのご家族に重大な影響を与えるような、想定していない事象(偶発的所見)が得られる可能性はないと考えています。しかしながら、万一想定していない結果が得られた場合には、患者様から希望があれば、倫理委員会に相談して判断を仰ぐことに致します。また、患者様から希望がない場合でも、生命の危機に関するような偶発的所見が得られた場合には、同様に倫理委員会に相談し判断を仰ぐこととします。

利益相反について

本研究の資金源は国から交付された科学研究費(18K15928)です。本研究に携わる全研究者におきまして、本研究の公正さに影響を及ぼすような利害関係はありません。本研究における利益相反に関する状況は、熊本大学生命科学研究部臨床研究利益相反審査委員会の審査を得ています。

本研究参加へのお断りの申し出について

本研究にご自身の試料・情報を使用して欲しくないと思われる場合は下記の問い合わせ先までご連絡ください。参加を辞退された場合でも患者様に不利益が生じることはありません。

本研究に関する問い合わせ

担当者:冨田 雄介

連絡先:熊本大学病院 呼吸器内科

〒860-8556 熊本県熊本市中央区本庄1-1-

電話 096-373-5012


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